【判例集など】

刑事訴訟法における判例の重要性はいくら強調しすぎてもしすぎることはないですね。





『刑事訴訟法判例百選[第9版]』



刑事訴訟法判例百選 第9版 (別冊ジュリスト 203)

評価:★★★★★
一言:必須

感想
→刑事訴訟法の判例百選は評判がやたら良いですね(笑)。実際、色々な書籍、論文においても百選の引用頻度は高いように思います。実務家の先生方も多数執筆に参加されており、分かりやすい評釈が多いです。
 刑事訴訟法については他の科目に増して論文を読むことが多いと思いますが、まず百選に当たってからでも良いのではないでしょうか。

 また、百選の最新版は第9版ですが、百選の中で頻繁に旧版が引用されていることからもわかるように、旧版の重要性も高いです。さすがに全部読む必要はないですが、いくつかはコピーをして該当箇所に挟んでおくとよいでしょう。旧版(8版だけでなく、5版くらいまでさかのぼることも(笑)。)のどれが読むべきものかは、執筆者が有名な先生であったり、解説中に引用されていたりするところからヒントを得ましょう。

 百選に関してはこのような意味で、「判例集」という側面も重要ながら、「論文集」としての側面も重要だと思います。



三井誠『判例教材 刑事訴訟法』



判例教材刑事訴訟法 第4版

評価:★★★
一言:ザ・判例集

感想
→刑事訴訟法における重要判例が、下級審判例も含めて膨大な量掲載されています。自習用というよりは、授業の教材ですね。
 刑事訴訟法においてリーディングケースとなる判例はみな学びますが(そのような判例が百選に掲載されている)、その判例の枠組みを使った事例判例になると(基本書などで紹介こそされますが)原文に当たることは中々しないのが通常ではないでしょうか。ただ、判例において示された規範をどのように当てはめるか、という問題について最良の素材は判例自身であって、本書はそのような判例を相当数掲載しているところに良さがあります。

 掲載の順番にも工夫が凝らされており、事例問題と共に本書を紐解けば判例の具体的な射程などについて理解が深まることは間違いありません。

 ただ、掲載判例に振られている番号による索引がしにくいのが欠点ですね(ページ上部に番号が書いていないため)。大した欠点ではありませんが。

 あと、百選には載っていないような事例判例についてその結論だけ覚えていた場合、その判例を基にした事例問題が出題されたときに、先に結論だけが見えてしまい、結論に合わせて論理を曲げてしまうことが起こりうるので注意が必要です。もしかしたら自分の覚えている判例とは事案が少し変えられているのかもしれず、基本判例だけ知っていれば適切な答えを導けたのにもかかわらず、余計な知識が邪魔をすることがあってはなりません。
 判例を勉強する際は、しっかりと具体的事案を含めて勉強すべきだと思います。本書には具体的事案がかなり詳細に紹介されているので、しっかりと読み込みましょう。

 まず百選掲載判例を潰した上で手を出すべき教材であると思います。類似判例を探したいときに適宜参照するのもよいでしょう。総じて中・上級者向け。



『刑事訴訟法の争点[第4版]』



刑事訴訟法の争点 (法律学の争点シリーズ (6))

評価:★★★☆
一言:つまみ食い用

感想
→論点についての解説論文集です。百選や、演習書で引用されている論文は読むと良いかも。いくつか、かなり有用な論文があります。
 ついに第4版が出ました!刑事訴訟法は、ロースクール制度が始まり、学習の方向性がかなり変わってきた科目でもあると思うので、最新の議論がこういう形で触れられるのはすごく良いことですね。百選・争点・実例と、主要参照文献も一新されたことになります。


渡辺咲子『判例講義 刑事訴訟法』



判例講義 刑事訴訟法

評価:★★★☆
一言:「判例の読み方」を学ぶ

感想
→本来はここに紹介するべきですね(笑)。違法収集証拠排除法則については本書を読んで助かったなあと思います。ロースクールの授業などでは、とても重宝すると思います。
 本書で判例の読み方と、射程の考え方、規範定立のやり方などをしっかりと身につけましょう。どちらかというと、刑事訴訟法を学び始めたころに読んでおいた方が威力を発揮する本です。